福祉施設やパブリックスペース向けの製品や空間提案を行う「インフィルウェルネス」のWebサイトをご覧いただきありがとうございます。
近年、企業には単に商品やサービスを提供するだけでなく、「社会にどのような価値を生み出しているのか」が求められるようになっています。環境への配慮、高齢化社会への対応、地域や人にやさしい商品づくりなど、企業活動と社会課題の解決が、これまで以上に深く結びつくようになっています。
そのような中で注目されているのが、「ソーシャルビジネス」という考え方です。
ソーシャルビジネスという言葉は少し難しく聞こえるかもしれませんが、考え方はとてもシンプルです。社会の困りごとを、寄付やボランティアだけに頼るのではなく、ビジネスの仕組みを使って継続的に解決していく取り組みのことです。
私たちインフィルは、高齢者福祉施設向けに、居室に設置する車椅子用洗面化粧台の開発・製造・販売を行っています。一見すると、住宅設備や施設設備を提供する事業に見えるかもしれません。しかし、その商品には、省エネ、高齢者の健康、建設コストの削減、そして生活環境の改善といった、社会課題の解決につながる価値があります。
この記事では、ソーシャルビジネスの基本的な考え方と、当社の事業がなぜソーシャルビジネスと言えるのかについて、わかりやすくご紹介します。
ソーシャルビジネスとは?
ソーシャルビジネスとは、社会や地域が抱える課題を、ビジネスの手法によって解決していく取り組みです。
一般的なビジネスは、商品やサービスを提供し、その対価として利益を得ることを目的としています。もちろん、ソーシャルビジネスも事業である以上、事業を継続するためには売上や利益は必要です。しかし、通常のビジネスと大きく違うのは、社会課題の解決を事業の中心に置いていることです。
たとえば、高齢者が安心して暮らせる住まいを整えること、障がいのある方が働きやすい仕組みをつくること、環境負荷を減らす商品を広げること、子育てや介護の負担を軽くすること。こうした取り組みが、社会の困りごとを解決するソーシャルビジネスの代表的な分野です。
ソーシャルビジネスには、主に3つの要素があります。
1.社会性
社会や地域の課題解決を目的とすることです。単に「売れる商品をつくる」のではなく、「その商品やサービスが、誰のどんな困りごとを解決するのか」という視点が大切です。
2.事業性
どれだけ社会にとって有益な活動でも、継続的でなければ大きな効果は生まれません。寄付など一時的な支援に頼るのではなく、商品やサービスの提供によって事業が成り立ち、継続できる仕組みを持っていることが重要です。
3.革新性
これまで見過ごされてきた課題や、従来の方法では十分に解決できなかった問題を、新たな考え方や仕組みによって解決することです。
つまり、ソーシャルビジネスとは、簡単に言えば、「社会に役立つことを、継続可能な事業として行うこと」です。
世界や日本に広がるソーシャルビジネス
ソーシャルビジネスは、世界中にさまざまな形で広がっています。
よく知られている例に、バングラデシュのグラミン銀行があります。これは、貧困層の人々に少額の融資(マイクロファイナンス)を行い、自立や起業を支援する仕組みです。従来の金融機関では融資を受けにくかった人々に対して、ビジネスの仕組みを使って貧困問題の解決を目指した代表的な取り組みです。
もちろん日本にも、多くのソーシャルビジネスが存在しています。
たとえば、病児保育や子育て支援に取り組む団体、障がいのある方の就労を支援する企業、地域の空き家や空き店舗を活用してまちづくりを行う事業、環境に配慮した商品を開発・販売する企業などです。
これらに共通しているのは、社会課題を「誰かが解決してくれる問題」として捉えるのではなく、商品やサービスという形にして、解決している点です。
社会貢献というと、寄付やボランティアを思い浮かべる方も多いかもしれません。もちろん、それらも大切な活動です。しかし、ソーシャルビジネスは、社会貢献を一時的な活動ではなく、日々の事業活動そのものに組み込み、継続可能な仕組みにしている点に特徴があります。
インフィルの展開するソーシャルビジネス
私たちインフィルは、日本が直面する高齢化社会の課題を解決するため、高齢者福祉施設の居室に設置する車椅子用洗面化粧台アクア洗面を中心に福祉施設向け設備を製造・販売するソーシャルビジネスを展開しています。
車椅子用洗面化粧台は、高齢者福祉施設で暮らす方にとって、毎日の生活に欠かせないものです。顔を洗う、手を洗う、歯を磨く、身だしなみを整える。こうした日常の動作を支える設備であり、利用者の自立や快適な暮らしに関わっています。
また、施設運営者にとっても、使いやすく安全性に配慮された設備は、介助のしやすさなど施設全体の運営に関係します。さらに施設の経営者にとっては、必要な機能を備えながら、建設コストや設備コストを適切に抑え、事業を継続的に行っていくことも重要な課題です。
つまり、当社の商品は、高齢化社会における、利用者、施設運営者、施設経営者それぞれの課題を解決する役割を持っています。
色柄を選べる設計が、生活環境をより豊かにする
星当社の車椅子用洗面化粧台には、もうひとつ大切な特徴があります。
それは、商品の木部の色柄などを選べる設計に対応していることです。
一般的な福祉施設向けの設備は、白を基調としたシンプルな規格品が中心です。もちろん、白い設備には清潔感があり、管理しやすいという良さがあります。
しかし、高齢者が暮らす居室は、単なる施設の一室ではありません。そこは、利用者にとって毎日を過ごす「生活の場」です。だからこそ、空間の印象はとても大切です。 木目調の色柄や、部屋全体の雰囲気に合ったデザインを選べることで、洗面化粧台は無機質な設備ではなく、居室になじむ家具のような存在になります。
白だけの画一的な設備ではなく、木目などのあたたかみのあるデザインを取り入れることで、部屋全体に調和が生まれます。これにより、施設での生活環境をより心地よいものにする効果が期待できます。
高齢者福祉施設における「暮らしやすさ」は、車椅子で使いやすいこと、安全に使用できること、介助しやすさといった機能性だけで決まるものではありません。同時にそこに住む人が安心し、自分らしく過ごせる空間であることも大切です。
当社が木部の色柄などに対応しているのは、 高齢者の生活環境をより良くし、施設での暮らしに安心感や心地よさを生み出すことを目的にしているからです。
これは、高齢者の生活の質、いわゆるQOLの向上を目的とした取り組みです。
次回の後編では、当社の車椅子用洗面化粧台アクア洗面や「エシカル水栓」が持つ具体的な機能が、どのように社会課題の解決(ソーシャルビジネス)につながっているのかを詳しく解説します。
「インフィルウェルネス」とは?
住宅設備を軸としたソリューションプロバイダーの株式会社インフィルによる、福祉施設・パブリックスペースのための製品開発や空間提案を行うプロジェクトです。車椅子利用を前提としたオリジナル洗面化粧台「AQUA」と、“日々の生活をしやすく(Day+Easy)”をコンセプトにした福祉施設向けの製品群「Daysy®」を軸に、誰もが快適に使いやすい製品を開発。設計から施工までワンストップで対応することでお客さまの抱えている課題と丁寧に向き合い、ソリューション性の高い提案を行なっています。
「エシカル水栓」とは?
インフィル独自の電気温水機能付き自動水栓「エシカル水栓」は、福祉施設の中でも特に特別養護老人ホームに向けた製品となります。製品価格はもちろん電気代も含めたトータルコストでの改善と飲用可能という機能面の両立を図った「エシカル」の名の通りの製品となっており、多くの施設で高い評価をいただいています。

