介護施設や高齢者向け住宅の居室における洗面化粧台は、メーカー各社さまざまなものがあり、車いす使用時にも洗顔や歯みがきなどが快適に行える配慮がなされた設計をしているものですが、介護スタッフのケアのあり方まで考慮されているものはそう多くないのではないでしょうか?
「車椅子で洗面台下のキャビネットを使おうとすると、手前に開く扉が邪魔で、身体を横に移動させて中身を取らなければならない」 、「介助者がキャビネットの扉を開ける際、利用者の前に回り込む必要があり、作業効率が低下する」
こうした目に見えづらいところの不便を解決するのが、私たち株式会社インフィルが提供するオリジナル洗面化粧台「AQUA(アクア)」の独自機能「デイジーミラー」です。
この記事では、なぜこの「デイジーミラー」が介護の現場で選ばれるのか、その画期的な仕組みと、もたらされる具体的なメリットを解説します。
インフィルオリジナル洗面化粧台「AQUA」とは?
「デイジーミラー」をご紹介する前に、まずはその土台となる洗面化粧台「AQUA」について簡単にご説明します。
「AQUA」は、もともと安心と負担の少ない操作性が求められる高齢者介護の現場のために開発されたインフィル独自の洗面化粧台です。利用者の方はもちろんのこと、介護スタッフの方にも使いやすく、現場目線で設計されているのが大きな特徴となっています。
AQUAシリーズの特徴
●車いすとカウンターの最適なフィット感。安心・安全を配慮
・INFILLオリジナルユニバーサルドレッサーは、車いすの利用者だけでなく、介護者やご家族も快適に使えるよう設計されています。
・誰もが楽に安全にお使いいただけるよう、カウンターの奥行きや高さ、ボウル形状などに配慮されており、シンプルな美しさも兼ね備えています。
●美しい一体成型でお掃除が簡単。いつでもきれいに
・この製品は、使用における自由度の高さと、うっかりミスを許容する設計思想が特徴です。
・美しい一体成型により、汚れが溜まりやすい継ぎ目をなくし、日々の清掃を簡単にします。
●車いすの方だけでなく介護者やご家族誰もが使いやすいスタイル
・誰もが快適に使えるよう、カウンターの奥行きや高さ、ボウル形状など細部にわたる配慮がなされています。
・横からの介助にも配慮された便利な設計で、入居者様だけでなく、介護スタッフの負担軽減にも貢献します。
ミラーキャビネット部分での一工夫「デイジーミラー」
こうした「AQUA」の設計の中で、他社製品にはない、インフィルだけの独自のメリットがミラーキャビネット部分にあります。それが、吊元を通常とあえて逆に設計することで扉の開き方を変えた「デイジーミラー」です。ここには、できるようでなかなかできない、「常識を疑う」というシンプルな発想にありました。
私たちは無意識のうちに鏡の扉は「内側に開くもの」と考えています。しかし、福祉施設における居室の洗面化粧台というシチュエーションでの車椅子での生活と、限られたスペースでの介護を考えると、この「当たり前」が不便さにつながることがあります。
そこでインフィルでは、扉を通常とは逆の「外側に向かって開くもの」にしたらどうかと考えました。たったそれだけのことですが、毎日の介護スタッフのケアがとてもやりやすいものになる、すなわちDay EasyなMirrorということで「デイジーミラー」が生まれました。

デイジーミラーの具体的なメリット
それでは、なぜ「デイジーミラー」が介護施設や高齢者住宅で高く評価されているのでしょうか。その具体的なメリットを、日々の生活シーンを思い浮かべながら見ていきます。
【介護スタッフの負担を軽減】スムーズなケアと作業効率の向上
居室内での洗面化粧台での介護スタッフによるケアは、利用者の方が鏡の正面に車椅子に乗って座っているため、介護しやすい利用者の左側に立って行われることが多いです。しかしながらその位置からでは外開きのキャビネットだと中のもの(ブラシやコップ、タオルなど)を取り出すことができないため、回り込み直して必要なものを取り出し、また元の介護しやすい位置に戻るという煩わしさがありました。

これがキャビネットの扉が内側に開くようになると、介護しやすい位置からそのままキャビネットを開いて必要なものを取り出すことができます。扉の開き方を逆にするという、言ってしまえばたったこれだけのことなのに、常に忙しさに追われている福祉施設における介護の現場では非常に使い勝手が良いとの評価をいただくことができました。

ちなみに、一般のご家庭などでのこうしたミラーキャビネットは、
・内側に開くことによって手鏡無しで接近して見える
・左右対称のバランスを確認できる
こうしたメリットがあるため、ほとんどのミラーが内開きになっています。インフィルでは介護の現場での使い勝手に向き合うことで、こうした一般的なものとは異なる設計を生み出すことができたのです。
まとめ
今回は、インフィルのオリジナル洗面化粧台「AQUA」に付けられたミラーキャビネット「デイジーミラー」が、介護施設や高齢者向け住宅の現場で評価いただける理由とその由来をご紹介しました。
通常と「扉が逆に開く」という、たった一つのシンプルな発想の転換。しかし、それがもたらす福祉施設における効果は大きかったと言えます。インフィルが福祉施設での多数の納入実績を誇り、現場の動線やスタッフの声と向き合った結果、生まれた独自の設計「デイジーミラー」。これから福祉施設の開設やリニューアルをご検討されている方は、ぜひインフィルの洗面化粧台をご検討されてみてはいかがでしょうか。
「インフィルウェルネス」とは?
住宅設備を軸としたソリューションプロバイダーの株式会社インフィルによる、福祉施設・パブリックスペースのための製品開発や空間提案を行うプロジェクトです。車椅子利用を前提としたオリジナル洗面化粧台「AQUA」と、“日々の生活をしやすく(Day+Easy)”をコンセプトにした福祉施設向けの製品群「Daysy®」を軸に、誰もが快適に使いやすい製品を開発。設計から施工までワンストップで対応することでお客さまの抱えている課題と丁寧に向き合い、ソリューション性の高い提案を行なっています。
「エシカル水栓」とは?
インフィル独自の電気温水機能付き自動水栓「エシカル水栓」は、福祉施設の中でも特に特別養護老人ホームに向けた製品となります。製品価格はもちろん電気代も含めたトータルコストでの改善と飲用可能という機能面の両立を図った「エシカル」の名の通りの製品となっており、多くの施設で高い評価をいただいています。