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車椅子でも「映る鏡を」—作業療法の視点で考える洗面化粧台の選び方

皆さんは、洗面化粧台を選ぶ際、何を最も重視しますか?デザイン性、収納力、あるいは手入れのしやすさでしょうか。これらはもちろん大切な要素ですが、特に介護施設や高齢者向け住宅の居室では、もうひとつ見逃せないポイントがあります。それは、「鏡の高さ」です。

車椅子を利用する方にとって、「座った姿勢で鏡に顔が映るかどうか」は、日常生活動作(ADL)の自立度や心理的な安心感に大きく影響します。本記事では、作業療法の視点から、車椅子ユーザーに最適な洗面化粧台の選び方、特に鏡の重要性について詳しく解説します。

「AQUA」とは

「AQUA」は、福祉施設利用者の様々なニーズに応えるために開発されたオリジナルの洗面化粧台です。なめらかなカーブが特徴の「アクアラウンドカウンター」や、利便性を高める「アクアスクエアカウンター」など、利用者の状態や介助の必要性に合わせて選択できます。

デザイン性と機能性、そしてメンテナンス性を両立させ、利用者と施設スタッフ双方の快適性を追求しています。

この記事のポイント

鏡の下端がカウンターまで届く設計は、車椅子ユーザーの整容ADLの自立・安全・安心に直結します。
・鏡が座った姿勢に合わないと、首や肩への負担転倒のリスク、そして心理的な不安感につながります。
・洗面化粧台の選定では、カウンターの高さだけでなく、「座位で顔が映る鏡の高さ」がQOL向上に不可欠です。

前提:車椅子対応の洗面化粧台は「鏡がカウンターまで」

車椅子対応の洗面化粧台と聞くと、カウンターの高さや足元のスペースに注目しがちですが、作業療法士の視点では、鏡の設計がADLの自立に直結すると考えられています。
本来、車椅子で正面から近づいたとき、座ったまま顔~胸元までが鏡に映るよう、鏡の下端はカウンターまで伸びているべきなのです。

作業療法の視点:ADL(Activities of Daily Living)への効果

鏡が適切に設置されていることには、次のような効果が期待できます。

  • 整容の自立を促す
  • 洗顔、口腔ケア、メイク、ひげ剃り、そして義歯や補聴器の着脱など、日々の整容動作の多くは「鏡を見て行う」ことが不可欠です。鏡が目線に合っていれば、これらの動作を安全かつ円滑に行うことができ、自立した生活をサポートします。

  • 安全で無理のない姿勢を保つ
  • 座位で顔から胸元までが自然に映るため、首や肩に負担がかかりません。過度に身体を前に乗り出すといった代償動作も不要となり、バランスを崩して転倒するリスクを軽減します。
    一方、鏡が目線に合えば、首は自然な中間位で済み、身体に無理のない姿勢で整容が可能です。これにより、痛みや疲労を軽減し、より安全なケアを実現します。

  • 心理的な安心感と自信につながる
  • 整容の仕上がりを自分で確認できることは、何よりも大きな喜びとなります。「自分でできた」という達成感や満足感は、日々の自信につながり、心理的な安定をもたらします。見えないことによる不安感が解消されれば、外出する意欲の向上にもつながるでしょう。

  • 介助量の軽減とケア効率の向上
  • 利用者が自分で動作を確認できるため、手添えによる介助や細かな声かけが不要になります。これにより、介助者の負担が減り、ケア全体の効率化にも貢献します。

    OK(鏡の下端がカウンターまである)

    ポイント
    ・鏡の下端がカウンターまで届き、座位でも顔~胸元が映る
    ・座位の自然な視線が鏡に当たる → 首・肩にムリなし
    ・首は中間位で整容可能 → ADL(洗顔・口腔ケア・メイク等)の自立と安全を後押し

    NG(鏡の下端が高い)

    ポイント
    ・顔が映らず/一部だけしか映らず、仕上がりに自信が持てない
    ・無理な姿勢(首を反らす、肩をすくめるなど)による痛み・疲労などの身体的な負担や転倒リスクの増加
    ・「見えない不安」から整容が消極的になり、外出意欲の低下にもつながる
    ・介助の手間が増加

    これらの問題は、単に「見えない」という物理的な不便さにとどまらず、利用者の身体的・精神的な側面にも深く影響を及ぼします。

    選定チェックリスト(導入・設計・購入前)

    これから洗面化粧台の導入や設計、購入を検討している方のために、作業療法の視点を踏まえたチェックリストを作成しました。

    1.座位で顔~胸元が映るか(椅子or車椅子に座って実機を確認する)
    2.照明は顔に影が出ないか(左右または面発光が理想)、まぶしすぎないか
    3.操作系が届きやすいか(水栓、コンセント、収納の高さ・奥行き)
    4.車椅子で正対できる奥行きか(膝下クリアランスと足元の抜け)
    5.安全性は確保されているか(鏡の角の処理、防曇・飛散防止、濡れても滑りにくい床材)

    これらの項目を一つひとつ確認することで、利用者が安全かつ快適に使える洗面化粧台を選定することができます。

    まとめ

    居室の洗面化粧台は、入居者にとって日々の生活を支える大切な場所です。

    車椅子でも「映る鏡を」選ぶことは、ただ単に機能的な製品を選ぶということではありません。それは、自立・安全・安心という、作業療法の観点から最も重要な価値を確保することにつながります。この視点を持つことで、利用者の生活の質(QOL)を大きく向上させることができるでしょう。

    「AQUA」は、まさにこの「映る鏡」を実現することで、使う人それぞれの、自信あふれる毎日を後押しします。福祉施設での利用者とスタッフの両方に配慮された洗面化粧台にご興味がある方、ぜひ一度お気軽にお問合せくださいね。

    「インフィルウェルネス」とは?

    住宅設備を軸としたソリューションプロバイダーの株式会社インフィルによる、福祉施設・パブリックスペースのための製品開発や空間提案を行うプロジェクトです。車椅子利用を前提としたオリジナル洗面化粧台「AQUA」と、“日々の生活をしやすく(Day+Easy)”をコンセプトにした福祉施設向けの製品群「Daysy®」を軸に、誰もが快適に使いやすい製品を開発。設計から施工までワンストップで対応することでお客さまの抱えている課題と丁寧に向き合い、ソリューション性の高い提案を行なっています。

    「エシカル水栓」とは?

    インフィル独自の電気温水機能付き自動水栓「エシカル水栓」は、福祉施設の中でも特に特別養護老人ホームに向けた製品となります。製品価格はもちろん電気代も含めたトータルコストでの改善と飲用可能という機能面の両立を図った「エシカル」の名の通りの製品となっており、多くの施設で高い評価をいただいています。

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