福祉施設やパブリックスペース向けの製品や空間提案を行う「インフィルウェルネス」のWebサイトをご覧いただきありがとうございます。この「エシカルblog」では、“エシカル水栓”というインフィル独自の電気温水機能付き自動水栓製品を通じて、特別養護老人ホーム向けに少しでも施設の運営管理を楽にして、スタッフの方の働きやすい環境の実現に役立てればという思いから記事を掲載していきます。今回は実際にあった問い合わせ「エシカル水栓の設定温度である水道水+15℃では不十分では?」に対してインフィルでご説明している内容と併せて暑い季節の給湯や、機能を絞った“エシカル水栓”のメリットなどをご紹介します。福祉施設の現場で瞬間式温水器の給湯温度に不安のある管理者の方、スタッフの方にはぜひ最後までご覧ください。
水道水の年間の水温変化はどれくらい?
貯湯式温水器と違い、瞬間式温水器はヒーターを通過する水道水を瞬間的に温度を上げるため、給湯温度は、水道管を流れる水道水の温度に影響されます。
それは季節によって異なっていて、当然、冬は冷たく、夏はぬるくなります。
それでは一年を通した最低水温と最高水温を確認してみましょう。年間を通じてどのように変化するかは東京都水道局が発表する『水道水の水温(都庁付近)の平均・最高・最低値一覧【令和2年度】』で確認することができます。
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/topic/03/
この表によると、年間を通じた水道水の最低温度は1月の7.6℃となっています。さすがにこの温度の冷水をそのまま手洗いなどに使うと痛みを感じるくらいですね。
日常使用で快適な水温はどれくらい?
そこで、インフィルの“エシカル水栓”では水道水の水温“プラス15℃”がちょうど良い設定としていますが、これは先ほど見ていただいた外気での水道水の水温+15℃という意味ではありません。
冬の屋内は一般的に外気より暖かく、建物内配管の水温は屋外のものより高いと推測されます。特に特別養護老人ホームなどの福祉施設等ではしっかり暖房を入れていることも多いため実際の水温はもっと高いこともあり得ますが、ここではちょっと低めに見積もって建物内の水温は12℃だったとすると、実際の“エシカル水栓”が吐水する際の水温は“+15℃”設定のため、27℃となります。
この27℃の水温がどれくらいのものかというと、あるメーカーの調査によると21〜26度あたりが“手を洗うのにちょうど良い温度”というアンケート調査結果が出ているのもあり、ほぼちょうど良い温度に収まると言って良いでしょう。
このように一年を通じて一番厳しい1月の水温7.6℃であっても“+15℃”を加えることで快適と感じられる水温の範囲内に収まります。
最初のご質問に対してインフィルでは以上のようなご説明をさせていただいて「瞬間式給湯器による“エシカル水栓”の水温は、福祉施設の居室内水栓として最適」と回答させていただいております。
ちなみに暑い季節の給湯はどうでしょうか?
先ほどの東京都水道局の一覧表によると年間を通じての最高水温は8月の28.3℃となっています。これに“+15℃”で加熱してしまうと43.3℃となってしまって温かすぎて扱いづらいのではないか?と心配される方もおられます。このようなご心配に対しても“エシカル水栓”は高温感知スイッチが作動して40℃を超えるとそれ以上は加熱しないように設計されていますので安心してご使用いいただけます。
とは言うものの、この40℃水温でもメーカー調査の”快適な温度”の範囲から外れてしまいますので、夏の暑い時期にはむしろ温水器の電源はオフにして水道水の温度そのまま使ったほうが快適と言えます。
そのような場合には“エシカル水栓”の温水器ならば洗面台のすぐ下に設置できるため手軽に電源をオン・オフすることができます。
季節によっては朝昼で気温が大きく変わる時期などにも、頻繁に電源をオン・オフに切り替えることが可能で、寒さを感じて給湯器の電源をオンにすれば、貯湯式のように水が温まるのを待つ必要がなく、すぐに“+15℃”の快適な給湯をご利用になれます。
このように電源を入れてすぐに“+15℃”の快適なお湯が供給できるのも瞬間式給湯器の大きな利点です。
そもそも設計思想が異なる
そもそも“エシカル水栓”は水道を冷たくない快適な温度に引き上げるために設計されています。それは、蛇口から出るお湯でお茶を淹れたり、全身を整容するための使用とは異なります。
通常はお茶を淹れるには給湯ポットで、全身を洗うには浴場に移動して施設全体をまかなうボイラー等で加熱したお湯を使用します。
“エシカル水栓”は福祉施設の居室内で日常の整容やちょっとした洗い物などを快適に使用できるようにするというコンセプトで作られています。
このように限られた使用目的を想定して極力機能を絞った製品ですので、けっしてオールラウンドというわけではありません。
この“オールラウンドではない”ことにご不満に思われる方でも、機能を絞ったことで得られるメリットの大きさに注目していただければ、きっとご納得いただけることと思います。そこで次に“エシカル水栓”の機能を絞ったこのとで得られるメリットについてご紹介します。
“エシカル水栓“の機能を絞ったことで得られるメリットとは?
・導入コストが抑えられる
温度調整機能など必要のない機能を極力省いた“+15℃”のみの機能ならば、部品点数を減らすことができ、生産コストや導入時コストを大幅に抑えることができます。
・電気代を低く抑えられる
瞬間式温水器は、水栓を使用する瞬間だけ電力を消費しますので、電気代を効果的に抑えることができます。
・丈夫で長持ちする
求められる結果に対して極力必要のない機能を省略し、必要な箇所には施設使用のグレードの高い部品を使うことでシンプルなうえ丈夫な製品となっています。
・故障しにくくメンテナンスが楽
質の高い部品のシンプルな構成により、結果的に故障が起きにくく、小型化が可能になり、設置やメンテナンスがしやすいというメリットがあります。
・安全な水で“飲用可能”
瞬間式温水器ならば、“飲用可能”で施設利用者の健康にも貢献します。
・“湯切れ”が起きず安定した利用が可能
瞬間式温水器ならば“湯切れ”は起きません。電源を入れてすぐに快適な給湯をご利用いただけます。
まだまだ多くのメリットを挙げることはできますが、長くなりますのでこの辺のしておきます。もし、ご興味をもたれた方はぜひインフィルまでご相談ください。担当者より資料を交えて詳細なご説明をさせていただきます。
まとめ | 福祉施設の居室には、用途を見定めて最適な水栓の選択を!
今回は、時々いただく「エシカル水栓の設定温度である水道水+15℃では不十分では?」というご質問に対してインフィルで説明させていただいている内容をご紹介しました。その中でインフィルの謳う“+15℃”が福祉施設の居室内においては年間を通じて快適な水温設定の範囲に収まって十分なこと、併せて温度調整機能などを省いた“エシカル水栓”のメリットについてもご紹介しました。
“エシカル水栓”は導入しやすいリーズナブルな価格に設定されている上、故障やトラブルが少ないことで定評があります。また、省電力設計によるランニングコストの低さでもご好評をいただいていますので、高騰する電気料金でお困りの際にはぜひ一度ご相談ください。インフィルでは一つひとつの福祉施設の現場で本当に必要なことを見極めて、最適なご提案をさせていだきます。ぜひともよろしくお願いいたします。
「インフィルウェルネス」とは?
住宅設備を軸としたソリューションプロバイダーの株式会社インフィルによる、福祉施設・パブリックスペースのための製品開発や空間提案を行うプロジェクトです。車椅子利用を前提としたオリジナル洗面化粧台「AQUA」と、“日々の生活をしやすく(Day+Easy)”をコンセプトにした福祉施設向けの製品群「Daysy®」を軸に、誰もが快適に使いやすい製品を開発。設計から施工までワンストップで対応することでお客さまの抱えている課題と丁寧に向き合い、ソリューション性の高い提案を行なっています。
「エシカル水栓」とは?
インフィル独自の電気温水機能付き自動水栓「エシカル水栓」は、福祉施設の中でも特に特別養護老人ホームに向けた製品となります。製品価格はもちろん電気代も含めたトータルコストでの改善と飲用可能という機能面の両立を図った「エシカル」の名の通りの製品となっており、多くの施設で高い評価をいただいています。