福祉施設やパブリックスペース向けの製品や空間提案を行う「インフィルウェルネス」のWebサイトをご覧いただきありがとうございます。この「エシカルblog」では、「エシカル水栓」というインフィル独自の電気温水機能付き自動水栓製品を通じて、特別養護老人ホーム向けに少しでも施設の運営管理を楽にして、スタッフの方の働きやすい環境の実現に役立てればという思いから記事を掲載していきます。今回のテーマは、プライム市場で実質的に情報開示が義務化されたTCFDについて。えっ?TCFDって気候変動への取り組みについてでしょ?「エシカル水栓」とどう関係があるの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。
福祉施設もTCFDの取り組みでアピール
TCFDとは、民間主導による気候関連財務情報の開示に関するタスクフォースのことで、2018年7月に環境省はTCFD(金融安定理事会が設置した気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同の意を表明しました。
さらに、2022年の東京証券取引所の再編で、プライム市場上場企業に対して気候変動関連の事業リスク情報の開示が義務化されました(開示しない場合は、その理由を説明する必要があります)。
現在、TCFDが注目される背景には大きく2つあります。
1つは気候変動によって経済的な被害や損失が広がっていて、今後も増加することが予想されること、2つ目は利益だけでなく持続可能性や環境問題への取り組みを重視する企業が社会的にも評価されるということです。
TCFDの情報開示義務はプライム市場の企業に対してですが、福祉施設においても課題として重視されていくと思われます。それは、環境問題への取り組みに対する社会的な意識が年々高まりつつあり、利用者様が施設を選ぶ際の1つの目安になる日もそう遠いことではないかもしれないからです。TCFDはCSR(企業の社会的責任)への取り組みをアピールできるチャンスにもなりますので、気候変動の影響がますます顕在化しつつある今日、まずは比較的取り組みやすいものとして「エシカル水栓」に置き換えることによる脱炭素経営を進めてみてはいかがでしょうか。
CO2削減の取り組みに、「エシカル水栓」の導入を!?
意外と思われるかもしれませんが、インフィルの「エシカル水栓」は、CO2削減に大きく貢献することができます。「エシカル水栓」は「瞬間式」の電気温水器を採用しており、一般的な「貯湯式」のものと比べると年間約90%以上*のCO2削減ができる可能性があるからです。
ちょっとややこしいですが、ここで試算してみましょう。まず、CO2排出量は、
消費電力量kWh × CO2排出係数kg-CO2/kWh(電力事業者で異なる) = CO2排出量
で求めることができます。
インフィル「エシカル水栓」のCO2削減量の計算は以下の通りです。
「エシカル水栓」(ETHICAL-S1)の場合、消費電力は1.36kWですので、手洗いなどの使用を考慮して1回あたり平均16.5秒使うと計算します。(1回あたりの使用量を330ミリリットルで計算しています)
16.5秒(1回の使用時間)÷ 3600秒/時間 = 0.00458時間
1.36kWh(エシカル水栓消費電力) × 0.00458時間 = 0.00623kWh(1回あたりの消費電力量)
0.00623kWh(1回あたりの消費電力量)× 10回(1日の想定使用回数)× 30日(月の平均日数)= 1.87 kWh(月あたりの消費電力量)
1.87 kWh (月の消費電力量)× 0.447kg-CO2/kWh(東京電力の基礎排出係数)= 0.83589kg(月のCO2排出量)
年間では、0.83589kg(月のCO2排出量)× 12ヶ月 = 10.03068kg (年間のCO2排出量)ですので、年間のCO2排出量は約10kgとなります。
一方、3L貯湯式の年間CO2排出量は約115kg* となりますので、貯湯式から瞬間式電気温水器に換えるだけで、年間約91% ものCO2削減と節電ができる可能性があります。
*(貯湯式のシミュレーション)回あたりの使用量:0.33L、1日使用回数:10回、使用温度:36℃
以上が一般的な電気温水器付水栓1台分を「エシカル水栓」に置き換えた際のCO2削減量の試算ですが、この1台置き換えるだけでもブナの木のO2吸収量にして約9本分に相当します。これが施設全体で50台、100台にもなれば、さらにCO2削減量と消費電力量を大きく削減できるのです。当然電気代もその分削減できますので、もしそろそろ水栓に不具合が出始めているようでしたら、これを機に水栓のリニューアルをご検討されてはいかがでしょうか?
まとめ|「エシカル水栓」でCO2削減と節電を実現して環境配慮企業に
気候変動による経済的な被害や損失はよく報道されており、今後も増加することが予想されます。まずは取り組みやすいものとして施設の居室内水栓を「エシカル水栓」にリニューアルすることで電気代や更新コストを抑えながら環境配慮企業を目指してみるのはいかがでしょうか?環境への配慮に加えて節電によるコスト削減も施設管理者様にご好評を戴いています(電気代などのコストについて詳しくはこちらの記事もご参照ください)。
インフィルはその他にも環境に配慮した様々な施設設備も取り扱っていますが、ただの設備メーカーではありません。施設の設計から施工まで一気通貫で行える会社です。
その他、福祉施設の設備全体に関する様々なノウハウがありますので、ちょっとした困りごとなどご相談がございましたら、ぜひお手伝いさせていただきたいと存じます。お気軽にご相談ください。
インフィルでは一つひとつの福祉施設の現場で必要なことを見極めて、最適なご提案をさせていだきます。よろしくお願い申し上げます。
「インフィルウェルネス」とは?
住宅設備を軸としたソリューションプロバイダーの株式会社インフィルによる、福祉施設・パブリックスペースのための製品開発や空間提案を行うプロジェクトです。車椅子利用を前提としたオリジナル洗面化粧台「AQUA」と、“日々の生活をしやすく(Day+Easy)”をコンセプトにした福祉施設向けの製品群「Daysy®」を軸に、誰もが快適に使いやすい製品を開発。設計から施工までワンストップで対応することでお客さまの抱えている課題と丁寧に向き合い、ソリューション性の高い提案を行なっています。
「エシカル水栓」とは?
インフィル独自の電気温水機能付き自動水栓「エシカル水栓」は、福祉施設の中でも特に特別養護老人ホームに向けた製品となります。製品価格はもちろん電気代も含めたトータルコストでの改善と飲用可能という機能面の両立を図った「エシカル」の名の通りの製品となっており、多くの施設で高い評価をいただいています。