福祉施設やパブリックスペース向けの製品や空間提案を行う「インフィルウェルネス」のWebサイトをご覧いただきありがとうございます。この「エシカルblog」では、「エシカル水栓」というインフィル独自の電気温水機能付き自動水栓製品を通じて、介護施設や特別養護老人ホーム向けに少しでも施設の経営や運営のお役に立てればという思いから記事を掲載していきます。
近年続くエネルギー価格の高騰は、24時間365日稼働する福祉施設の運営において重大な課題です。照明のLED化や空調設定の見直しなど、日々の小さな積み重ねも重要ですが、老朽化に伴う設備の更新もランニングコスト削減の機会といえます。こういった大規模な設備更新の代名詞といえば、「給湯設備」があげられますが、給湯方式選びを誤ると、期待したほどの節電効果が得られないばかりか、余計なコストがかさんでしまうリスクがあります。本記事では、福祉施設で採用される「エコキュート」「貯湯式」「瞬間式」の3つの特徴を比較し、費用対効果まで踏み込んで解説をしていきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュート・貯湯式・瞬間式の仕組みと違い
まずは代表的な3つの給湯方式の仕組みとそれぞれのメリット・デメリットから整理します。
1. エコキュート:抜群の省エネ性能
エコキュートは、大気中の熱を利用するヒートポンプ技術により、少ない電気で大きな熱量を生み出す非常に高効率な給湯方式です。一方で省エネ性に優れるものの、「配管ロス」が発生します。居室洗面台へ給湯するためには、中央機械室や屋外から長距離配管でお湯を届けるため、温水が出るまでに冷えた水を捨てる「捨て水」が発生してしまい、熱と水の両方を無駄にしてしまいます。また、各居室まで配管を引く工事も大規模なものとなるため、設備投資にも大きな金額が必要となってしまいます。
2. 貯湯式電気温水器:すぐに使える安心感
貯湯式は、洗面台の下に設置したタンクの水を内蔵ヒーターでお湯にして蓄える方式です。水栓を開ければすぐにお湯が出る反面、「無駄な待機電力」が発生してしまいます。洗面台が使われない深夜や早朝も、湯温を維持するために24時間電力を消費し続けてしまいます。また、タンク内の水は衛生基準を満たさないため、飲用することができないというデメリットがあります。さらに床置き型の大型タンクは車椅子の足元を圧迫し、利用者の利便性を損なう原因にもなります。
3. 瞬間式電気温水器:必要な分だけ沸かす合理性
瞬間式はタンクを持たず、洗面台の下に設置したヒーターが、水栓を使用するその瞬間に温めて供給する方式です。保温の待機電力が一切かからず、使う時だけ電力を消費するため電気代を劇的に抑えられます。また、そのまま飲用できるほか、タンクレスなので車椅子の足元スペースを広く確保できる点も大きなメリットです。一方で100度近いような高温にすることが難しいというデメリットもあります。
福祉施設の電気代の削減や利便性は「適材適所」
ここまで説明してきたように施設全体の電気代を最小化し、加えて利用者の利便性を高めるには、用途に応じた使い分けが最適解となります。
大量のお湯を使う「浴室・厨房」ならエコキュート
大浴場や居室での入浴が多い施設、大型の厨房を備えた施設など、一度に大量のお湯を継続して使う場合には、エコキュートの高い熱効率が最大限に活かされます。導入コストは高めですが、使用量の多さによりランニングコスト削減効果が大きくなり、早期の投資回収が可能です。この場合でも施設全体ではなく、大浴場や厨房など一部施設の導入が現実的といえます。
各居室の「洗面台」には瞬間式が圧倒的にお得
手洗いやうがいなど短時間の利用が中心となる各居室の洗面台には、待機電力と配管ロスのない瞬間式が最も合理的な選択肢となります。水を使用する瞬間だけ給湯するため、居室数が多い施設ほど全体での電気代削減効果が極めて大きくなります。一方で高温の水を一定量以上使用したいというニーズのある施設では貯湯式を検討しても良いかもしれません。
水栓を瞬間式に変更した場合のコスト削減効果
居室洗面台を従来の貯湯式からインフィルの瞬間式電気温水器「エシカル水栓」へ切り替えた場合のコスト削減効果を試算します。
10年間でいくら得する?30床・50床での「電気代削減シミュレーション」
貯湯式電気温水器と瞬間式電気温水器それぞれの1年間の電気料金を比較すると
貯湯式:約7,728円/年
瞬間式(エシカル水栓):約672円/年※1
と、1台につき年間約7,050円(約93%)の電気代を削減することができます。
これを、30床、50床ある施設で10年使用した場合で比較すると以下の表のようになります。30床の場合で、約210万円、50床の場合では350万円の差がでることになります。
【貯湯式と瞬間式の電気代比較(施設サイズ別・10年間コスト)】

※電気使用量算出条件
・電気使用量 瞬間式:22.4 kWh/年(約0.0614 kWh/日)・貯湯式:258 kWh/年(約0.707 kWh/日)
・電気料金単価:30円/kWh ・1回あたりの使用量: 0.33 L(330 ml)
・1日の使用回数: 10 回 ・加温条件: 貯湯式=36℃保温 / 瞬間式=供給水温 +16℃
このように、設備の更新は大きなコスト削減の機会にも関わらず、何も考えずに既存の設備のまま更新をしてしまうと、そのチャンスを逃すことになってしまいます。
現場の意見を取り入れた、エシカル水栓の最適スペック
エシカル水栓はこれまでの設備納入を通じた現場スタッフへの徹底的なヒアリングによって開発され、福祉施設の運用に最適化されたスペックを備えています。
特に水の冷たさから冬場に敬遠されがちな手洗い洗面ですが、水温が常温よりも15℃〜20℃高ければ、外気温との差により十分に温かさを体感することができます。
そのため、エシカル水栓は年間を通して、水温+16℃〜20℃まで一瞬で加温する性能を担保しています。冬場であっても手洗いに適した20〜27℃前後の快適な温度へ温めます。さらにタンクがないため雑菌繁殖の心配がなく、居室で「安全に飲めるお湯」を提供できる衛生面におけるメリットもあります。
まとめ|給湯設備の「使い分け」が最大のコスト削減を生む
このように、福祉施設における設備更新に伴う光熱費削減のポイントは、大規模な浴場や厨房のある施設であればエコキュート、居室の洗面台であればエシカル水栓(瞬間式)という適材適所な設備の使い分けにあります。単に老朽化した設備の更新にとどまらず、固定費を大きく削減する機会として活用することが施設運営の重要な視点ではないでしょうか。
インフィルはただの設備メーカーではなく、設計から施工までワンストップで行える会社です。製品を販売して終了ではなく、現場の生の声を吸い上げながらプロフェッショナルな目線でちょっと気の利いたご提案をしています。「水回りの老朽化が気になってきた」「設備更新を機にコストを見直したい」とお考えの施設運営者様は、お気軽にご相談ください。
「インフィルウェルネス」とは?
住宅設備を軸としたソリューションプロバイダーの株式会社インフィルによる、福祉施設・パブリックスペースのための製品開発や空間提案を行うプロジェクトです。車椅子利用を前提としたオリジナル洗面化粧台「AQUA」と、“日々の生活をしやすく(Day+Easy)”をコンセプトにした福祉施設向けの製品群「Daysy®」を軸に、誰もが快適に使いやすい製品を開発。設計から施工までワンストップで対応することでお客さまの抱えている課題と丁寧に向き合い、ソリューション性の高い提案を行なっています。
「エシカル水栓」とは?
インフィル独自の電気温水機能付き自動水栓「エシカル水栓」は、福祉施設の中でも特に特別養護老人ホームに向けた製品となります。製品価格はもちろん電気代も含めたトータルコストでの改善と飲用可能という機能面の両立を図った「エシカル」の名の通りの製品となっており、多くの施設で高い評価をいただいています。

